From:向井直輝
先日、大学の時の後輩が東京に転勤になったので飲みに行きました。そいつは誰もが知っている大手メガバンクに勤めています。彼との大学時代の関係はゼミの後輩でした。私がゼミの幹事をやったのを率先して引き継いでくれたリーダーシップもある人間です。しかも見た目もスラっとしていて、顔も精悍だし、性格も良いのに彼女がいないのが不思議なくらい。紹介して欲しい方はご連絡下さい。さらにひとつ目の配属先である地方支店で結果を出したからか、今年の3月から人事部配属になり、新人研修を担当するそうな(人事部に行く人間はエリートコースなのです)。
3年で3割辞めるって知ってる?
さて、飲みながら色々と話を聞いていたんですが、「あ、そういえば」って形で思い出したので、聞きました。
「同期って今何人残ってんの?」
曰く、元々600人くらいいた同期が、今では400人くらいになってるそうです。同期600人って段階で、今まで同学年でマックス250人くらいしか経験したことない私としては想像もできない規模ですが、彼は続けて「3年3割ですよ」と言っていました。
「え、じゃあ彼らは辞めた後、どうしてんの??」
と聞くと、「公務員とかが多いですねー(^.^;」とのこと。
「そんな仕事キツイん…?」
と続けて聞くと、
「いや、別にそんなことはないですが、ある日突然来なくなるヤツとかいましたね。笑」
恐らくそのある日突然来なくなった人は、きっと緊張の糸か何かがプツッと切れてしまったのだと思います。まぁそういうのは人間誰しもがありますよね。
彼らを責めるべきなのか?
さて、ここでその辞めた彼らに対してどう思うでしょうか?
一つは「根性なし!」と彼らのことを責める立場。
大方のメディアの論調はこちらみたいです。
ちょっと古い記事ですが、
企業口コミサイト「Vorkers」の「働きがい研究所」は、サイトに寄せられた口コミのうち、新卒入社で3年以内に退職した平成生まれの若手社会人による企業評価レポートから「新卒入社3年目までの社会人が会社を辞める理由」を分析、結果をまとめた(15年4月14日)。
最も多い退職理由は「キャリア成長が望めない」(25.5%)で、「残業・拘束時間の長さ」(24.4%)、「仕事内容とのミスマッチ」(19.8%)を抑えてのトップとなった。
具体的には、
「安定はしているが、女性の成長機会がなかなか設けられていない(紙・パルプ、女性)」
「思い描いていたキャリアと違い、自分の将来像と重なる部分が無いと感じたため(ホテル、男性)」
「他のキャリアアップをしてみたかったから。一生に一度の人生であり、いろいろと挑戦してみたかったから(官公庁、男性)」
といった理由が挙げられている。
(中略)
ちなみにこの分析結果は、15年4月20日放送の「バイキング」(フジテレビ系)でも、MCの坂上忍さんがニュースに物申すコーナーで紹介された。坂上さんは、「キャリア成長が望めない」に対し「3年で何がわかるんですか!」、レギュラー出演者のIKKOさんも「そんなの自分で見て覚えろ!」と、やはりカンカンだった。
坂上忍、IKKOも激怒した 若者が「3年以内に辞める」理由
とあります。あなたは彼らの意見に賛成でしょうか?
私は反対です。なぜなら…
辞める会社に本当の理由なんて言うわけ無いじゃねーか
と思うからです。
それを証明するかのようにこんな記事をば。
会社に伝えた退職理由
退職理由の建前
退職理由で最も多かった回答は「結婚、家庭の事情」です。ひとことで家庭の事情といってもさまざま。配偶者や両親、子供の問題など、たとえタテマエだとわかっていたとしても会社が踏み込みにくい理由です。次いで、「体調の問題」「仕事内容」が上位を占めています。
伝えなかったホンネの退職理由
では、退職理由のホンネについて聞いてみましょう。タテマエとのギャップは果たしてどれぐらいあるでしょうか。
退職理由の本音
会社に伝えた退職理由では少なかった「人間関係」が一番多く回答を集めました。逆に「家庭の都合」「体調の問題」はほぼ最下位。激しいギャップが見て取れます。いかに会社に伝えられる退職理由がタテマエであるかが証明される結果となりました。フリーコメントからは「上司からセクハラ・パワハラに遭った」「同僚との関係が良くなかった」という声が散見され、ホンネを言うに言えない状況にある方も多いようです。
1500人の求職者に聞いた退職理由の真相!「退職理由のホンネとタテマエ」

胸ぐらつかみたくなるくらいのクズっているよね…
まぁ実際、私も1年で新卒で入った会社を辞めた口ですし、色々本当の理由を言いたいけども、ちょっと調べれば私が何て会社に勤めてたかなんてすぐに分かるので、ここでそれについて書いてしまうと特定の企業に対する誹謗中傷になってしまうのでここでは書きません(クローズドの場では話すよ!)。でも、結局言うならば、やっぱり人間関係ですよね。詳細は控えますが、ここにいてもなぁ…と色々感じました。現在進行形で相談乗ってる人も職場でハブられて…ってやっぱり人間関係で悩んでます。
求職者の本当のニーズに応えていない採用活動
だいたいさ、おかしいんだよな。人材採用って。特に新卒。なんであんなに期待を煽るだけ煽りまくるの?悪いところとかほとんど出さないですよね?言ったとしても「忙しい時は残業することもあるよ」とか、本当は常態化してるのに!他にも離職率とか、就職四季報見てみ、けっこうな会社がNA(No Answer)だから。その割に、説明会とかでは「やりがい」とかで煽るんだよなぁ。そんな風に煽るから、期待値だけ高めまくられた学生が勘違いして入ってきちゃうわけでしょ?営業で期待値だけ高めての販売なんてクレームものだよ?
それだけじゃなく、中途採用も、そんな「機能」ばっかり売り込むなよ、求職者に対して…。うちの給料はいくらです、とか言っても仕方ないでしょうよ、人間関係で悩んで辞める人が大半なんだから、そういう人に刺さるのは「うちの社員はこういう奴らです」とか、もっと言うならどういう人が上司になり得るのかとかを、もっともっと情報発信していかないとダメでしょうよ。じゃないとせっかく採ったとしてもまた上司とか同僚とウマが合わないとか言って辞めちゃうよ?
いつまでも求職者のせいにしてる限り変わらん
また次回も書きますが、なんで採用した人間が、思ったような成果を出せず、すぐに辞めていくかと言ったら、それは採用される側の問題もあるけど、ほとんどすべては会社側の責任です。
能力とかマッチングとかを面接で見抜けなかったのは企業側の責任だし、自社が求めてる母集団を形成できなかったのは欲しい人材に刺さるプロモーション活動をしてこなかった企業側の責任だし、社内で教育できなかったのは企業側の責任じゃないですかね。「ヒト・モノ・カネ」って言いますよね?それにも関わらず、その「ヒト」を蔑ろにしている今の多くの企業の態度ってどうなんでしょう?僕にはよく分かりません。辞めた3割は、ある意味、「ここは自分のいる場所じゃない」と会社を判断したわけでしょ?
合わない奴はさっさと辞めちゃせさえばいいんだよ、有名なとこで言うならばGE。日本ではサイバーエージェントも導入してるらしいよ。そっちのほうがお互いにとって幸せだよ。
参考記事:
「会社と価値観が合わない人」は部署異動か退職勧奨 サイバーエージェントのミスマッチ制度
アメリカのザッポスは、合わない奴には20万円も払って辞めてもらってるんだよ。それくらい企業にとったら合わない奴って邪魔なんだよなぁ。
参考記事:
ザッポスの強さを実現していたのは「仕事と人生の一体化」経営だった!
なぜ優秀な人材から辞めていくのか?
あと、これとても大事なのは、仕事して成果を出しに会社に来てる人間からしても、合わない奴は死ぬほど邪魔。だってさ、同期の悪口とか陰口を言ってるのとか、「会社うざいわー」とか延々と言ってる奴とかマジうざいよ。(笑)そういう奴に「じゃあ、辞めれば?」とか言うと、口をつぐむか、もしくは「いや、そこまでは…」とか言う。会社に何しに来てるんだよ。笑
会社に遊びに来てる奴らの給料の原資は誰が作ってるかと言ったら、仕事で成果出してる人でしょ?デキる人からしたら、アホらしくなりませんかね…。
これを読んでくれている社長さん(少ないかもしれませんが)、もしあなたの会社から優秀な人が順番に辞めていっているならば、それは社内にいる癌細胞のせいかもしれません。転移する前に除去したほうがいいですよ。
でも、会社に仕事しに来てる人は、きっと共感してくれると思うんだけどな。あなたはどうですか?