From:向井直輝
先日から「肩書詐称」というのが一種のブームになっていますね。
「実は私も…」とか「実は俺も…」と便乗している人も出てきている始末です。
僕の記憶の範囲では、10年くらい前にも衆議院議員で学歴詐称していて大問題になったのをよく覚えています。また「学歴詐称」でググると「ニセ学位の販売がアメリカで横行している」という10年以上前の記事が引っかかってくるので、洋の東西を問わずにある話みたいですね。
あなたの周りにもこんな人いませんか?
「俺は○○大学出身です。○○会という同窓会で人脈がウンタラカンタラ」
「私は××という会社の出身です(ドヤァ」
大丈夫、安心して下さい。そういう奴らはクソと同じだから。

一見誠実そうだが…
というのも、肩書や資格を持っているから、安心できる時代はもうとっくのとうに終わりました。
だからもしあなたもそれで安心している、もしくは安心しようとしているなら、それはとっても危険なことだとご理解ください。未だに多くの場所で「英会話教室」の広告を見ますが、なんでそんなに皆英語を勉強したがるんですかね?高いカネ払って英語を習得したとしてそれをどこに活かすんでしょうか?よく分かりませんが、そういう人がいっぱいいるために「英語業界」ってのができてるんでしょうが…。
それはさておき、
「何の肩書も経歴もない、でも実績だけはある!」
という方には朗報です。
これからは「実践してきた人」が評価される時代です。
ここからは私の実体験も交えてお話ししていきます。
こぞってマーケティングを勉強する税理士の”先生”たち
私はかつてマーケティングに関するセミナーの企画・集客・運営の会社にいました。そこには多くの税理士のおじさん達がいました。彼らは自分達の商売をもっと伸ばすために「マーケティング」を勉強しに来ていました。
ちょっと想像して欲しいのですが、「税理士」というと、社会的地位も高く、高収入を得ているイメージありませんか?
実際、僕が学生時代に簿記を勉強していた資格予備校では、
「税理士の平均年収は900万円です!」
というポスターがデカデカと色んなところに貼られてました。
それを見た私の大学時代の友人は「俺、税理士になろうと思うんだ…!」と言って勉強してました(結局彼は市役所勤めしています)。
今はどうなんでしょうね、その資格予備校のサイトを見ても、「税理士はこんなに儲かります!」というのは書いてないので、もうそういう宣伝方法はやめたのかな?
でも、事実は事実。
私なんかよりも実際に税理士をやっている方のお声を聞くほうが真実だと思いますのでご紹介します。
色々お世話になっている、廣升健生さんという税理士の方が自社サイトでこんなことを書かれています。(廣升さんは「税理士」という超競争激しいキーワードで「日本税理士会」よりも上位表示されています。日本税理士会ェ…)
- 最短5年、最長10年と取得に税理士資格は非常に長い時間が掛かる
- 資格を取得しても「60代以上のベテランが業界を牛耳っている」
- インターネットの普及で顧問報酬が可視化され、報酬の下落が止まらない
- クラウド会計ソフトの登場で記帳代行業務市場が大幅に縮小していること
- いざ独立しても自分で集客できないから集客代行業者に報酬の50%超もの大金を支払わないといけない

意外?それとも妥当?
さらに、ちょっと古いデータですが、日本税理士会連合会が実施したアンケート結果によると、なんと「300万円未満の税理士が全体の4分の1」を占めているそうです。
ご覧の通り、難しいとされる「税理士」資格でさえ、この有様。いわんや他の資格をや。
こういう状況だからきっと税理士の皆さんがこぞってマーケティングのセミナーに参加して、集客を勉強して顧問先を増やしたり、クライアントに対して新しいサービスを提供して報酬単価のアップを狙ったり…ということをお考えなんだと思います。しかし残念ながら、そういった試みは十中八九うまくいきません。その理由は後ほどお話しする前に、肩書の話に戻ると、
なぜ税理士がマーケティングをしても絶対にうまくいかないのか?
不思議なことに「肩書」は人を惹きつけてしまうんですよね。実際私も名刺を渡した瞬間に興味を持ってもらえるように色々と試行錯誤しながら肩書を変えてきましたし、未だに「コピーライター」とあると反応してくれる人がいて嬉しく思います。
でも、変な話、「肩書なんて名乗るのはアホでもできる」んですよね。今回の騒動の某KさんはハーバードMBAをとったとか、テンプル大卒とか、コンサル会社をグローバルに展開してます、とか言っちゃったわけでしょ?テレビという影響力のデカイメディアで言っちゃったのとあまりにもデカイ嘘をついちゃったから、ここまでフルボッコになってるけど、多少の「ウソ」は皆言ってるでしょうよ、それこそ「採用面接時」とかには。
新卒採用の担当者によると、面接時には「サークルの副部長」さんと「バイト先の売上アップ」君が大量発生するらしいよ。笑
あのさ、どういう基準で「副」なのか知らんが、本物の「副」は実務の全てを取り仕切るくらい大変だからな?それ分かって言ってんのか?
あと、お前だけでバイト先の売上アップするって、どんだけ今まで売上低かったんだよ。というか大の大人たちが頭を捻りまくって出した施策を超えていく、ってお前ずっとそこの居酒屋やってた方が絶対出世できるよ、マジそんな簡単に売上アップしたら苦労しねーから。
実際、簡単に「こういうこと」、つまり「自分には○○という肩書がある」「自分は××ができます」と宣っちゃう人、ひじょーに多いですが、そんなの一発でわかるからね。実際、そんなにたくさん面接(する側)の経験がない僕でさえ分かるんだから、百戦錬磨の面接官なら一発でしょうよ。
そういう奴らを見ぬくのは簡単です、詳細をどんどん詰めていけば絶対にボロが出るんだから。
そう、だから税理士の皆さんがどれだけマーケティングを勉強しようが、集客や報酬単価アップに繋がらないのも同じ理由。ほとんど皆さん、98%の人が実践せず理論だけだから何の説得力もないのよね。事実、めちゃ飲食で成功してる社長さんが言ってましたが「税理士がするマーケティングコンサルほど役に立たないものはない」ってね。上で紹介した廣升さんは自分の業務時間の半分以上マーケティング・集客の実践に割いているそうです。成功している人はそれくらいやってるんだよね、普通。たぶん何の肩書もなくても「俺はやってる!」「俺はやれる!」と思ってる本当にデキる方も同じだと思います。実践実践ひたすら実践!
実践こそが解決策。たぶん誰に聞いてもそう答える。
どんな肩書を持とうが、その中身を埋める努力をしないと何の意味もないよ。そこに出来上がるのは、外見だけ取り繕った残念な中身空っぽ人間ですから。
なぜ資格や免許、肩書に人間が惹かれるかというと、より大きな権威を借りてるわけです。車の免許も日本国政府が担保してるから身分証明書として大きな意味を持つわけでしょ?同じく税理士、医者、会計士、弁護士とかも全て同じ。より大きな権威で自分の威光を高めてる形。つまりいつまで経ってもそれに頼ってる限り、キツネなんだよなぁ。大人になって、それって、ダサいよ。てめぇの足で地面踏みしめて前に進まなきゃ。上には登れないよ。